子どものむし歯予防に効果あり?「フッ素塗布」って安全?
こんにちは。
名古屋市中村区千成通の「いわま歯科クリニック」です。
フッ素塗布は、子どものむし歯予防に効果的とあって、およそ世界120カ国で推奨されています。
そうはいっても本当に安全なのか不安…という保護者のみなさまのために、今回は、むし歯予防に用いられるフッ素とはいったい何なのか、どんなしくみでむし歯を予防するのか、お話ししたいと思います。
フッ素は、化学的に合成されたものではなく、マグマに由来するもの。地球上に広く存在しています。
海中や大陸など自然界のどこにでも分布しているため、わたしたちの命をつなぐ農産物や魚介類、肉などにも、わずかに含まれています。当然ですが、常時口にする飲料水やお茶にも含まれているのです。
半世紀以上前に、フッ素をむし歯予防へ応用する研究が始まったのですが、飲料水にしている水源にフッ素が多く含まれている地域に、むし歯の疾患が少ないことが明らかになったからでした。
フッ素のむし歯予防への活用は、もともとは自然環境からの学びによるものなのです。
むし歯予防に利用されているフッ素(フッ化ナトリウム)。フッ素塗布や歯みがき剤に含まれる程度の利用では、身体に対する影響は特にありません。
中毒を起こす恐れがある推定量は、5歳の子どもなら、フッ化物入りの洗口液を40人分一気飲みした場合、または3歳児がフッ素塗布用の溶液4人分を一度に摂取した場合とされています(厚生労働省の健康情報サイト e‐ヘルスネットより)。
むし歯予防のために、正しく使用している限りでは、まず、そんな量を摂取することはありません。
今では、WHO(世界保健機関)やFDI(国際歯科連盟)など世界の専門機関が、むし歯予防にフッ素を利用することを推奨しています。
フッ素塗布がむし歯予防にどのように効果を発揮するのかというと、歯の表面の成分がむし歯菌が出す酸によって溶かされた時、歯の修復を促進する働きがあります。つまり、歯の表面が強化されるのです。
さらに、むし歯菌が、歯を溶かす酸を出すことを抑制します。
お子さんのお口の状況によっても違いますが、フッ素塗布におすすめの頻度は、3カ月~6カ月に1回です。
定期的にフッ素塗布を受け、自宅での毎日の歯みがきを徹底し、効果的なむし歯予防を実現しましょう。