むし歯の子どもが半減した!?水道水フロリデーションとは
こんにちは。
名古屋市中村区千成通の「いわま歯科クリニック」です。
水道水フロリデーションをご存知でしょうか?
お子さんのむし歯を予防したい、将来の歯の健康をも守りたいという親御さんの愛・想いは、万国共通です。
今回は、世界のむし歯予防への取組みについての雑学コラムをお送りします。
水道水フロリデーションは、むし歯予防に効果があるというフッ素(フッ化物)を、あらかじめ飲料水である公共の水道水に添加することで、地域のむし歯予防効果を高める方法です。
実際に、1945年に世界で初めて行われた水道水フロリデーションでは、その10年後に永久歯のむし歯が50~70%まで少なくなったという結果が報告されています。
そもそもフッ素がむし歯予防に良いことが明らかになったのは、フッ素の濃度が強い水源を飲み水としていたおかげ。その地域の人々に、むし歯の発生が少ないことから発見されたのです。
そうした初心に立ち返り、適正濃度のフッ素が含まれるよう水道水を調整することで、むし歯予防に効果をもたらそうという考え方で実施されています。
現在は、世界で3億7000万人の人々が、水道水フロリデーションの予防効果を得ているといいます。
行われている世界の地域は、米国内の地域をはじめ、オーストラリア・ブラジル・香港・アイルランド・マレーシア・ニュージーランド・シンガポール・英国など。フッ素を添加調整した上で世界36カ国で実施され、天然の水源による国を合わせると、世界61カ個国に広がっています。
安全性や効果については、世界保健機関(WHO)、米国疾病管理予防センター(CDC)、そして世界各国の歯科医師会など、さまざまな専門機関が保証し、普及を推進しています。
日本でも40~50年ほど前に、京都市山科地区で試験研究が行われていたことがあります。そのほか、沖縄や三重県でも実施されていた時期がありますが、普及には至りませんでした。
適正なフッ化物の添加調整は、むし歯予防に効果的であること報告されていますが、法律が変更されず、実施に至らない国・地域もたくさんあるようです。
水道水フロリデーションに関しては、さまざまな考え方があります。あくまで雑学として受け止めてくださいね。